コンプレッサーは空気をエアブラシに送る為の道具です。
エアブラシで使用するには小型のコンプレッサーで十分です。コンプレッサーは各メーカーからさまざまなタイプが発売されていますが、タイプの違いのポイントを挙げてみます。
- パワーの違いと音の大きさ
- オイル、オイルレスの違い
- 圧力スイッチの有無
- エアータンクの有無
- フィルターレギュレターの有無
- 価格
パワーの違い、音の大きさ
殆どのタイプはパワーの大きな物ほど音が大きく小さい物ほど音が小さいです。パワーのあるコンプレッサーは使える機種の幅が広がりますが、殆どの方が部屋の中で使うので、音の大きさも考慮しなければなりませんね。
音の気にならない所で使う方や、部屋の中で静かに使いたい方も居ますので、使用環境によって選べば良いと思います。
パワーを計る場合、毎分どの位のエアーの量をコンプレッサーから出力出来るかの数字が有ります。
- 風量→22㍑min
この様な表示をしてあります。これは1分間に22リットルエアーを出力しますよ!という事です。
エアブラシワークスの推奨は毎分20㍑min以上です。20㍑min以上あれば、殆どのエアブラシで使用可能です。
パワーのあるコンプレッサーはエアブラシだけでは無く、小型のスプレーエアブラシも使えたりと、使い用途の幅が広がります。このサイトを見ている方、殆どの方がエアブラシで絵を描く事を前提としていますので、パワーの違いでの要点をまとめてみました。
右の画像は小型コンプレッサーの中では非常にハイパワーです。同時に3~4本のエアブラシを同時に使用出来ます。
小口径のスプレーエアブラシも使えますので、カスタムペイントなどを考えている方には向いています。
ただし、音がかなり大きく、使う環境も考慮しなければなりません。
(音の大きさはdbという単位で表示されているのも有りますが、ここでは私の聞いた感覚で表現しています。)
オイル、オイルレスの違い
コンプレッサーは機械的に空気を圧縮しますので、コンプレッサーによって内部にある金属の摩擦部分にオイルを使っているか、オイルを入れずにベアリングを使っているかの違いが有ります。
簡単に言うと、オイルを使っているコンプレッサーはとても静かなタイプが多く、オイルレスコンプレッサーは「ドコドコ」とエンジンの様な機械音がします。
一見静かな方が良さそうなのですが、そうばかりでもありません。
オイルコンプレッサーを使用するとホースを伝ってオイルがエアブラシから出てきてしまいます。なので塗装で使用するコンプレッサーは殆どオイルレスを使用しています。
塗膜にオイルが付着すると、ブリスターと言って表面にブツブツと吹き出物の様なものが出て来てしまう事があります。
圧力スイッチの有無
これは何かというと、空気(以下エアー)を使っている(出している)時にはONになり、エアーを使っていない(出していない)時はOFFになるスイッチです。
圧力スイッチが付いているコンプレッサーは、設定した圧力までエアー圧が上がると自動でスイッチがOFFになり、圧力が下がると自動でONになってくれます。なので、エアーを出していない時には勝手にスイッチが切れてくれる便利な機能です。
しかし、機敏にON、OFFが切り替わるとスイッチの接点が消耗し、圧力スイッチが壊れてしまうトラブルも良く有ります。機敏にON,OFFとならない様に、大きなエアータンクを中間に入れてあげると圧力スイッチが長持ちします。
圧力スイッチが付いていないタイプのコンプレッサーは常にコンプレッサーが回っている状態となります。
エアータンクの有無
コンプレッサーには殆どの物にエアータンクが付いています。このタンクには圧縮した空気を一時貯めておく事が出来るんです。タンクの無いコンプレッサーはそのままエアブラシに空気が流れますので、コンプレッサーのエアーの波動をダイレクトに伝わってしまうと言われています。(私はあまり気になりませんが・・・)
しかし、タンクの無いコンプレッサーには、後からタンクを接続する事も出来ます。
フィルターレギュレターの有無
フィルターはエアー内の埃や水を除去して、綺麗な空気を供給する部分です。
レギュレターはエアー圧を調整する部分です。
殆どのタイプがフィルターとレギュレターと圧力ゲージ(空気の圧力のメーター)がセットになっています。フィルターレギュレターはコンプレッサーとエアブラシの間には必ず付けなければなりません。
殆どのコンプレッサーにはフィルターレギュレターが内臓されています。
このフィルターレギュレターには2種類あって、エアーを逃がすタイプと、エアーを逃がさないタイプが有ります。
圧力スイッチの無いタイプのコンプレッサーは常にコンプレッサーが回っていますので、使用していない時はどこかでエアーを逃がさないと、エアーが溜まる一方でどこかが破裂していまいます。
圧力スイッチの無いコンプレッサーに付属しているレギュレターは、設定した圧力になるとエアーがフィルター下部から逃げる様な構造になっています。
圧力スイッチの有るタイプのコンプレッサーに付いているレギュレターは、圧力を調整してもエアーが逃げない構造になっています。
IS-800Jのフィルターレギュレターは、
コンプレッサー自体は常に回っていますので
設定した圧力までエアーが溜まると
フィルター下部から空気を逃がします。
Iwata IS-800J
風量・・・10㍑min
音の大きさ=割と静か
お勧めのコンプレッサー
いろいろと説明して来た中でこんなコンプレッサーを購入すればいいという、コンプレッサーの要点をまとめてみました。
- 音が静かで出来ればパワーの有る
- オイルレスである事
- フィルターレギュレター内蔵
すべてを満たすコンプレッサーは有りませんが、下記のコンプレッサーが良いでしょう。
エアテックスAPC-001R2
音の大きさ=普通パワーも有り、音もそうは大きくなく、すべてのバランスの取れたコンプレッサーです。最近は教室でも殆どこのコンプレッサーを使用しています。
エアタンクが無いので、梅雨時などは水が出て来る事もあります。後付けで水取り様のトランスフィルターを取り付けると水の問題も解消出来ます。
他メーカーからも良いコンプレッサーが沢山有りますので、以上の要点を理解した上で探してみるのも良いですよ。
まだ道具を持っていない方は当サイトのエアブラシToolカタログのページでお勧めセットを販売していますので、そちらも参照してみて下さい。当店で購入されるとすべてサポート付きです。
ここから下は塗装用のコンプレッサーです。
中型コンプレッサー
音の大きさは爆音
クリアーを吹く時や広い面をフラットにペイントする場合は中型以上のコンプレッサーが必要です。こちらの物はホームセンターで購入するのが一番安いです。
殆どの物は音が強烈に大きいので部屋の中では使用出来ません。もし使用したら苦情が殺到するでしょう。
クリアーなど塗装で使うスプレーガンを使用する場合、最低でもこの位(2馬力)のコンプレッサーは必要です。ガレージなどが有る方は周りの環境を考えて使用して下さいね。
広い面にクリアーなどを吹く場合、このコンプレッサーでもパワーが足りません。最低3馬力(推奨5馬力)以上のコンプレッサーが必要で、本格的な塗装システムも必要になってきますので、非常に高価になります。
私が思うには、普通の方が趣味で塗装をするのなら、ホームセンターなどのコンプレッサーで十分だと思います。
ただ、ホームセンターのコンプレッサーは殆どがオイルコンプレッサーです。オイルが出て来てしまいますので、オイルフィルターを別途取り付けて下さい。オイルフィルターもホームセンターなどで購入出来ます。それとオイルフィルターは定期的なメンテナンス(掃除)が必要です。
画像はエアブラシスクール静岡校で使用しているコンプレッサーです。(横浜校も同タイプです。)スクールなどで、多人数同時に使用する事が在りますので、こちらのコンプレッサーを使っています。こちらはオイルレス、スクロールコンプレッサーといって、パワーの割りに音が静かですが、ただし非常に高価です。
次は塗装で使うスプレーガンの説明をしてみます。